「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」
塾講師の坪田信貴が書き下ろした実話。有村架純主演で映画化もされている。遅ればせながら、図書館で借りて読んだ。
正直いって、本や映画になるほどのテーマかなと思う。大学世界ランキングでは東大でさえ、いまやシンガポール大や北京大より格下だ。日本を一歩出れば、誰も知らないKEIO大学。
さらに日経電子版によると、関西の高校3年生の40%が慶応を知らないそうだ。私学の雄といわれる慶応も、しょせんは東京ローカル。
それとも、関西の高校生がモノを知らなすぎるのか?
いろいろと突っ込みながら読んだが、実はとても心動かされる本だった。
高2当時のさやかちゃんは、金髪ヘソ出しのギャル。聖徳太子を「せいとくたこ」と読んで、「この女の子、超かわいそうじゃね?」と勘違い。日本地図を書かせれば、ひとつの大きな円を描く。東西南北さえわからない。
そして「カリスマ塾講師」坪田先生と出会う。「君みたいな子が慶應とか行ったら、チョー面白くない?」と言われ、すっかりその気になって猛勉強を始める。
素直であることは、とても大切な人生の資質だ。
坪田先生に会ったさやかちゃんは、初めて「勉強してものを知るとこういう大人になれるのか。こういうおもしろい話ができるようになれるのか。じゃあ勉強をがんばろう」と思えたのだという。
さやか母もすごい。学校に呼び出されて「お宅の娘さんは授業をまったく聞かず、熟睡しています」と言われ、こう答えた。
「塾で何時間も勉強し、家でも朝までずっと寝ずに勉強しています。あの子はいつ寝ればいいんですか?」「あの子には、学校しか寝る場所がないんです」
3時間粘って、娘が授業中に寝ることを認めさせてしまう。
マイ枕持参で登校するさやかちゃん。ある日ふと目覚めると、授業が簡単に感じられるようになっていた。1年半の間に、偏差値は30(大学受験生の下位2%)から70(上位2%)へ。全国の受験生67万人をごぼう抜きにしていた。
そして、「このまま大学にも上がれなくて、適当にバイトでもして、結婚して、早めに子育てするんだろうなー」と考えていたビリギャルは、慶応に合格した。
難関大に合格して得た自信。大学生活で出会った人との交流。そして「慶大卒」という肩書。なんだかんだ言っても「慶応」は、さやかちゃんの人生の選択肢を劇的に増やしたに違いない。努力して何かを掴んだ経験は、一生の財産だ。
そして・・・自分の日本史の学力も、聖徳太子を「せいとくたこ」と読んだ頃のさやかちゃんといい勝負。この夏は、坪田先生が彼女に勧めた「小学館・学習まんが少年少女日本の歴史」全23巻で勉強しようと思う。
Dalat, Vietnam
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