2018年1月6日

大きく勝つより、まず生き残ること㊤


 明けましておめでとうございます。

 新春恒例、ミヤサカ・ファンドの運用報告をさせて頂きます。

昨年はオランダやフランス、ドイツで選挙が行われました。懸念されたポピュリズムは盛り上がらず、政治イベントで一昨年ほどの波乱はありませんでした。

 北朝鮮や中東などの地政学リスクも、世界経済への影響は軽微でした。

 ダウ平均は年間25%、日経平均は同19%上昇しました。

MSCI世界株指数は21%上昇しました。

 ドル円は3%の円高、ユーロ円は11%の円安でした。



こうした外部環境の下で、当ファンドは17%上昇しました。

 資産配分は株式60%(日本8%、先進国31%、新興国21%)、債券24%(日本8%、海外16%)、REIT16%(日本3%、海外13%)です。



現在、アメリカ・ドイツ・インドなどの株式市場が史上最高値圏にあります。加えて昨年末にトランプ減税が実現し、世界を楽観が支配しています。

未来は予測できませんが、景気サイクルは常に上下動を繰り返します。永遠に上がり続けることもなければ、永遠に下がり続けることもありません。

いま市場がどの位置にあるのか。1年で20倍になったビットコイン相場は“Irrational exuberance(根拠なき熱狂)”を思わせます。世界市場の先行きには、用心深さが必要かも知れません。

当ファンドの受益者には定期収入がないので、大きく勝つより、とにかく生き残ることを目指します。昨年、値上がりした日本株と米国株を一部売却しました。いま以上に市場を陶酔が支配した場合は、株式比率を50%まで落とします。

この50%という比率は、GPIF(日本の年金を運用する政府機関)と同じ保守的な資産配分です。しかし当ファンドでは株式中の日本株比率を減らし、新興国市場に投資することでαを生み出したいと思います。

今年のNISA枠では中国株を買います。といっても新規投資は控えて、課税口座の中国株を売った資金を当てます。東証の中国株ETFは流動性に乏しく、あり得ないほど乖離率が高いので、香港上場ETFに投資します。

 中国株は世界市場との相関が低く、ポートフォリオの安定に寄与します。それ以上に、年6%台の成長を続ける世界第2の経済に投資しないのは、機会の損失だと考えます。

政府の介入で価格が歪められるのが玉に瑕ですが、今後もMSCI世界株インデックス以上の比率で中国に投資したいと思います。



(後編に続く)











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