2017年9月23日

3GBの宇宙


「ロケットマン」がミサイルを発射した朝も、信州にいた。

 標高1500メートルの森を散歩していたら、下から町内放送が聞こえてきた。「北朝鮮・・・ミサイル・・・」

 いま避難しろと言われても、点在する山荘の軒先を借りるくらいだ。

構わず歩き続けた。

 数日前の朝もミサイルが放たれた。森の家のダイニングで妻のケータイが鳴る。目覚ましのアラーム音?起きてきた妻がケータイを開き、1時間後にJアラートだったと知る。

なぜ自分のケータイは鳴らない。不公平に思っていたら機内モードだった。鳴らないはずだ。

でもJアラートが有効なのは、国民全員分の核シェルターがある時だけ。下手に都会で鳴ればパニックだ。対処できない警報をもらっても仕方ないから、ケータイは機内モードにしておこう。どうせ電話かかってこないし。

この夏もテレビ・ラジオなしで暮らした。情報源は、ひと月3GBでデータ契約したタブレットと、毎朝届く新聞のみ。

 3GBでフェイスブックを開いたりグーグル検索したりブログをアップしたりしたら、半月でなくなった。その後は数日おきに、歩いて森のwi-fiエリアに通っていた。特に支障はなかった。

 秋になって街に下り、今はふたたびwi-fiつなぎ放題。テレビもあって便利は便利。でも、いささか情報過多。情報に振り回される自分がいる。

私が最低限の生活費を得ている「パッシブ運用による国際分散投資」では、日々の株価変動は、本質的価値とは何の関係もない単なる雑音だ。でもテレビをつけると、定時のニュースで株価や為替が速報される。

つい見てしまう。そして、無駄に心が揺らぐ。

タブレットのトップ画面をニュースサイトに設定している。でも日々報じられる政治家の発言、外国の選挙、地震など、ほとんど自分でコントロールできない点では雑音のようなもの。北朝鮮のミサイル発射も、雑音。

雑音を聞くために日々を過ごしている。

SNSは、常にネットにつながれた環境では、友人知人との距離が密になりすぎる。たまに覗くぐらいがちょうどいい。

この春、深夜に着いた中国の空港。やっとネットにつながったのに、グーグルやフェイスブックが開けない。検索ができなければもメールも読めない。あの時は心細かった。当局がブロックしているのだ。



自らを情報社会から遠ざけたいが、それを政府が勝手に行う社会は怖い。

「テレビがない森の中+ネット3GB」「人の会話が理解できない外国+政府が干渉しないネット環境」。こういう場所に身を置きたい。


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