2025年11月21日

たかがごみ出し、されど…

 

会社時代の同僚クリコさん一家が、長かった海外暮らしから心機一転、すぐ近くに引っ越してきた。

「これ読んどいてね~ なんだか知らないけど」

クリコさんが、市役所でもらった冊子をダンナに手渡した。

「…何これ」

外国籍(でも日本語ペラペラ)のダンナさま、冊子を手に呆然としている。

「○○市 ごみ 出し方の手引き」と表紙に書かれたそれは…

なんと、43ページもあった。


そうなのだ。わが家は隣のM市だが、ごみ出しルールの細かいこと!

毎日、家庭で出るごみを、25品目に分別しなければならない。

例えば、プラスチックごみは「長辺30センチ以上」と「それ以下」に分別。

ビン類は、「透明」か「茶色」か「その他の色」に分別。

「キリン」「アサヒ」「サッポロ」のビール瓶は、収集日が別。

紙類を、まとめて「燃えるごみ」に出すのはご法度。

封筒やメモ用紙、はしの袋などの小さな紙は、分別して「資源ごみ」へ。

和紙や感熱紙、写真は、「燃えるごみ」へ。

ペットボトルは、よく水洗いして「資源ごみ」へ。

キャップとラベルは必ず外して、「プラスチックごみ」として出すべし、等々…

ごみの回収日は、曜日別、品目別に「週2回」「週1回」「月2回」「月1回」と決められている。カレンダーとにらめっこして、間違えないよう細心の注意を払いながら、朝8時30分までに出す。

そして、ごみ袋の表に、必ず名前を書く。

うっかり忘れると、回収してもらえない。

いやはや…


 ところが同じ県内でも、C市はとても大らか。

分別は、「可燃ごみ」と「不燃ごみ・資源ごみ」の2種類のみ。

金属やガラス以外はだいたい可燃ごみ、と覚えておけばOKだ。

プラスチックを燃やしてもダイオキシンが出ない高性能焼却炉があるのか、それとも「住民に高齢者が多いから、やむなくルールを簡略化した」のか。自宅近くの「ごみステーション」は24時間365日、いつでもごみ持ち込み可だ。

M市とC市を往復しながら双方で暮らしていると、ごみを捨てやすいというそれだけで、生活の幸福度は大幅にC市の方が高い。

たかがごみ出し、されどごみ出し…



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