「シンプルで合理的な人生設計」 橘玲著 ダイヤモンド社
この人の本は毎度「それを言っちゃーおしまいよ!」の連続なのだが、最新の知見が含まれているので、つい読んでしまう。一部を紹介します。
・ビールは最初のひと口がものすごくおいしいが、2杯め、3杯めとお代わりするにつれておいしさが減っていき、最後は惰性で飲むようになる…「限界効用の低減」。同じ相手とのセックスの限界効用も低減する
・お金の効用も低減する。日本で持ち家と別に1億円の金融資産があると、それ以上貯蓄が増えても幸福度は上がらない→「1億円」が老後不安から解放される基準になっているから
・もっとも効果的に幸福になる方法は、お金持ちになること。年収や資産を増やすことはドラッグやギャンブルで一時的に幸福度を上げるような副作用もないし、短期的な効用だけでなく長期的にも人生によい影響を与える
・幸福になるための方法は星の数ほどあるが、「お金持ちになる」ことほどシンプルかつ効果的な戦略はほかにない→幸福になりたい人が真っ先に取り組む課題は金融資産を大きくすること
・自由とは哲学的・心理的な問題ではなく、自由に生きるための経済的な土台を持っているかどうかで決まる
・「あなたは友だち5人の平均である」はネットワークの科学の常識。イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリンと友だちなら、あなたは成功者で大富豪
・問題は因果関係を逆にして、大富豪になるためにこの5人を友だちにすることはできないこと。友だちはあなたが一方的に選ぶのではなく、あなたが友だちに選ばれなくてはならない
・ヘヴィメタルとクラシックのファンはおそらく友だちになることがない→音楽の好みがパーソナリティを反映するから
・友情の維持に必要な時間資源は有限。友人の数が多い外向的なタイプは1人に多くの資源を割くことができず、付き合いが表層的になってしまう
・アメリカでは支持政党による同類婚が進んでいる→夫がトランプ支持なら、妻がバイデンを支持していることはない
・同じ学歴同士が惹かれ合う→アメリカのエリート白人男性は、白人で高卒の元チアガールより、自分と同学歴の有色人種の女性と結婚する
・中国で広く普及しているアリペイの「芝麻信用」はユーザーの信用力を点数化しているが、その基準のひとつが友だちのネットワーク。信用力の低いユーザーとつながっていると自分の信用力も下がってしまう
→中国では誰もが点数の低い友だちを切り、点数の高い友だちとつながろうとするようになった
Tateshina Japan, Autumn 2023 |
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