「明日バーベキューやるから来ない? フランスの女子高生も来るよ」
ご近所さんから、LINEでお誘いが。
やばっ! 子どもの頃フランスにいたのに、ちっともフランス語を話せないのがバレる。
…それでも誘惑には勝てずに、ノコノコと出掛けて行った。
すらりとした長身、金髪、よく笑う16歳のアメリさん。
よくよく聞いてみると、「フランスの女子高生」とひと言ではくくれない、かなりユニークな生い立ちの人だった。
お父さんはフランス人。
お母さんはチェコ人。
一家4人でドイツに暮らす。
その自宅はフランス国境にほど近く、彼女が通っている高校の授業はドイツ語とフランス語のバイリンガルで行われる。
放課後、家に帰れば、お父さんとフランス語、お母さんとはチェコ語で話す。
そして家族全員が揃った夕食の席では、共通語としてドイツ語を使う。
私「な、なんてフクザツな!」
ア「そう、私も時々混乱します。自分はいま何語を話してるんだろう?って」
当然のように、アメリさんは英語も流ちょうに話す。
これから1年間、交換留学生として愛知県の高校に通うアメリさん。すぐ日本語も話せるようになるのだろう。
アニメ好きなアメリさんは、留学先に日本を選んだ。
お兄さんはコスタリカに留学中だという。
グローバル家族!
フランスとドイツは、78年前まで戦争をしていた。
1992年にEU(ヨーロッパ連合)諸国が統合。
フランス・ドイツ間の国境も開かれて、人の往来が自由になった。
いまフランスとドイツが戦うのは、もっぱらサッカースタジアム内限定だ。
これから国境をまたいだ人の往来がますます盛んになり、アメリさんのように多彩なルーツを持つ人が地球規模で増えれば…
そのうちこの世界から戦争がなくなる、かも知れない。
アメリさんはフランス人だが、実はドイツ人でもある。
仏独2つのパスポートを持っているという。
Pokhara Nepal, 2023 |
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