「関西から来る女子高の八ヶ岳登山ガイド。往復ロープウェー利用、実働4時間。日当3万円!」
むむ。
魅力的なオファーが舞い込んできた。
でも結局、その日も時給933円の緩和ケア病棟で働くことにする。
終末期の患者さんの傍でさまざまな人生に接し、ふと口から漏れ出る心境に耳を澄ませることは、自分にとってかけがえのない経験なので。
前回に引き続き、「DIE
WITH ZERO」(ビル・パーキンス著、ダイヤモンド社)の中身を紹介していきます。
・人生を最大限に充実させるための3大要素、「金」「健康」「時間」の全てが同時に潤沢に手に入ることは、めったにない
・若い時は健康で自由な時間もあるが、金はあまりない。老後生活を送っている人は時間が豊富にあり、たいてい金も持っているが、残念ながら健康状態は衰えている。中年期はバランスが取れているが、時間が不足しがち
・金でなく健康と時間を重視することが、人生の満足度を上げるコツ
・健康は、金よりはるかに価値が高い。健康状態が良好なら、たとえ金が少なくても素晴らしい経験はできる
・そして金から価値を引き出す力は、年齢とともに低下していく。経験を最大限に楽しめる真の黄金期は、一般的な定年よりもっと前に来る。この真の黄金期に、私たちは喜びを先送りせず、積極的に金を使うべき
・どれだけ働いて金を稼いでも、まだ稼ぎ足りないと感じる人は多い。だが膨大な時間を費やして働いても、稼いだ金をすべて使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる
・100万ドルの資産を残して死んだら、それは100万ドル分の経験をするチャンスを逃したということ。それでは最適に生きたとはいえない
・オーストラリアの緩和ケア介護者ブロニー・ウェアは、余命数週間の患者たちに、人生で後悔していることについて聞いた。最大の後悔は「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」。2番目に多かったのは「働きすぎなければよかった」(男性患者の1位)
・人生を最大限に充実させるために、「資産を減らすポイント」を明確に作る。経験から多くの楽しみを引き出せる体力があるうちに、資産を取り崩していくべき。大半の人にとって、そのポイントは45~60歳
・若い頃にネパールへ行くことについて。この手の旅行は年をとったら子育てや仕事で簡単にできなくなる。だから有り金を使って、一生に一度の経験をするためにネパールに旅立つ価値はある。それは無駄遣いではない
※著者ビル・パーキンスは1961年生まれのヘッジファンド・マネージャーです
Rolwaling valley, Nepal 2023 |
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