2023年1月13日

分数ができない人の末路

 

今から40年前、東京の私立大学が、小論文と英語だけで生徒を募集した。

 からきし数学がダメな高校生が、これ幸いと受験し、まんまと合格。

長じてその人物が、よせばいいのに、貧困家庭の子を集めた無料塾の講師を引き受けた。

「先生、分数の割り算を教えて下さい!」「よし、どれどれ…えっ?…ん?」

 数学どころか、算数もお手上げ…

この私だ。

 人間、分数がわからなくても、半世紀は余裕で生きられる。

 人として世の中に役立っているかどうかは別として…


「算数のテストで計算機を使ってもいいのではないか?」

「漢字を鉛筆で書ける必要があるのか? キーボードで打てればいい」

「英語を全員が全員、学ばなくてもいいのではないか?」

これは東大先端研シニアリサーチフェロー、中邑賢龍氏の提言だ。算数のテストに電卓!これは朗報だ(以下、日経ビジネス電子版より)。

・急増する不登校の原因として大きいのは、学習の困難。知能が正常でも「学校の勉強」に困難がある子は散在する

・いじめも不登校の直接の原因ではない。文字が書けない、勉強ができない結果として、いじめが起きている

・鉛筆だと書けなくても、パソコンやスマホを使えば、困難を感じずに文章を書ける子はたくさんいる。鉛筆で書くことにこだわらず、とにかく自分の頭のなかにあるものを文章として外に出す習慣をつけることが大事

・英語圏では読み書き障害が10%ほどいて、日本語圏やスペイン語圏などより高い。英語の読み書きは、それだけ難しいということ。そのために、数学が抜群にできる子がいても、英語が必修だと行きたい高校に行けない

・英語を必修から外し、入試科目から外しやすくすることで、才能のある子がもっと花開いていくはず

・ギフテッド教育の弊害も、もっと知られるべき。わが子はギフテッドだと主張する親の根拠は、たいてい知能検査。でもクイズやパズルをたくさんやって、子どもの「知的反射神経」を鍛えれば、IQは高く出る。

IQ130以上もあって大変なんです」と真面目な顔で相談に来る親に、「安心してください、お母さん。小学校5年生ぐらいになったら普通の子になりますから」と言うと、ものすごく不快な顔をされる

・でも「普通になった自分」に親ががっかりすれば、子どもが傷つく

・とりあえず勉強する、とりあえず学校へ行かなきゃいけない、そういう価値観から抜け出し、好きなことを見つけて、好きなことを思いきりやる。変わった子が、変わったままで生きられるのが一番

・大人は子どもに、変わることを当たり前のように求めるが、子どもではなく制度や社会を変えたほうがいい

My house, 2022-2023 winter


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