2022年10月21日

B級観光旅行

 

 旅行会社に勤める友だちが、鉄道150周年記念のJRフリー切符をくれた。

 150年に一度の、たいそうお得な切符だ。この切符で行ける限り、一番遠くまで行ってやれ!

 ということで、青森に来てみた。

 北へ向かう金曜日の東北新幹線「はやぶさ」は満席。青森市内のホテルは、チェックインに長蛇の列ができている。

同じことを考える人が、他にもたくさんいるようで…

ホテルを予約する時、ビジネスホテルの狭苦しい部屋が、どの旅行サイトでも1泊2万円をつけていた。同時期に始まった「全国旅行支援」も、青森枠はあっという間に売り切れてしまった。

秋の紅葉シーズン+待ちに待った全国旅行支援がスタート+地域限定・期間限定のお得なJR切符が発売=東北に観光客が押し寄せる、の図。

株式市場に、「人の行く裏に道あり花の山」という有名な言葉がある。

旅行でも人の裏をかかなければ、人混みに揉まれに行くだけのようだ。

 

在住アメリカ人の東洋文化研究家・アレックス・カー氏が、日経ビジネス電子版で「日本よ、B級観光から脱せよ」と説いている。

果たして、そのココロは…?

・日本は「B級観光」という安売り観光に落ちている。つまらないビジネスホテル、つまらないものが適当に出される温泉料理。「安ければいい」という悪循環に入り、B級で満足している

・かといって「A級」が富裕層向け、というわけでもない。一晩5万、10万円というホテルは不自然

15000円から2~3万円くらいの値段で、それなりにきれいな施設に泊まれるのが「質がいい」ということ。質の良い宿泊、質の良い料理、それがA

・少し奮発して一晩星野リゾートに泊まってみれば、目が肥える。いいものはこういうものだとわかる

・世界で一番行きたい国はどこかを聞いたアンケートで、日本は第1位になった。「日本に行きたい」という潜在的なニーズは大きい。日本のように宗教や芸能、芸術が生き生きと残っている国は、アジアの中でも少ない

・ホテルや旅館、温泉に行けば、客へのサービスがとても気持ちよく受けられる。これは、他の国ではなかなかできない経験

・それなのに、新型コロナの第7波で1日20万人の新規感染者が出た「感染大国」日本が、ワクチンを3回受けてPCR検査もクリアした人たちが海外から来るのを怖がっている

・約6500万人の観光客を受け入れていた中国が、(ゼロコロナ政策で)完全に鎖国している今こそ、日本はインバウンドを取り込む大チャンスだ



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