スペイン統治時代の面影が残る、マニラの旧市街に泊まった。
なぜか甘いソーセージ、目玉焼きとご飯の朝食を食べていると、従業員がタガログ語のヒットソングを流して、一緒に歌い始めた。外に出れば、城壁に囲まれた石畳の小道を、イヌ、ネコ、ニワトリが駆け回って賑やか。
ランチに入ったレストランでは、客と従業員が楽しそうに話し込んでいる。私のオンライン英会話の先生は、本業がスターバックスの店員だが、
「フィリピンのスタバ店員はね、ラテアートの腕前より、いかに客の話を終わらせて行列をさばくかが大事なんだよ」
と、苦笑いしていた。
そしてフィリピン料理には、しこたま砂糖が入っている。マクドナルドでさえ、味付けが甘い。
結果、太った人がとても多い。
フィリピン人に限らず世界的に、ヒトが大型化している気がする。成田発マニラ行の機内では、白人黒人東南アジア系、色々な人と乗り合わせたが、
「えー、この人たちと飛行機代が同じ? ちょっとは割引してよ!」
と本気で思った。
アメリカ人の平均体重は、女性74キロ、男性90キロだという。中国やインド、東南アジアの人も、よく肥えている。いま体重を気にしてダイエット中の日本女性の9割は、世界標準と比べたら、むしろ「やせ」に属するのでは?
和食は偉大なり。
日が暮れると、マニラはあちこち歌舞伎町になる。暗闇から「クスリいらない?」と声を掛けられる。麻薬犯の射殺も辞さないドゥテルテ政権の取り締まりで、治安は良くなったらしいが、夜のひとり歩きは怖い。
仕事でフィリピン出張していた頃、マニラ支局で一緒に働いたジョリバートさんと、15年ぶりに再会した。彼も私も、その後会社を離れたが、お互いフェイスブックに実名アカウントがあったので、無事に会えた。
「その後、孫が6人できたよ。息子が愉快な奴でね、最初のガールフレンドとの間に子ども2人作って、ろくに面倒見ないもんだから、わが家で預かってるんだ。彼が結婚したのは3人めの彼女。ミレニアル世代は自由だね」
「息子はエアライン関係の会社で働いてたんだけど、コロナ禍で倒産しちゃった。娘の勤め先もアメリカの旅行会社だったから、コロナで仕事がなくなって、家でブラブラしてるよ」
フェイスブックには、楽しそうに食事をするジョリバート一族の写真が。
この国の人にかかると失業さえ、さほど大事じゃないみたい。
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