マニラのセブンイレブンは、「人力自動ドア」だ。
どこからともなく路上生活者が現れて、手でドアを開けてくれる。
いつも硬貨の見分けがつかず、1杯のコーヒーに100ペソ札を出すから、すぐ小銭が溜まる。ポケットが重くなった頃合いで、全部「自動ドアおじさん」にあげた。
「サンキュー、サー!」
マニラ湾沿いをジョギングしていると、高層ビルの廃墟が目立つ。倒産したホテルだろうか、まるで鬼怒川温泉だ。要塞のようなアメリカ大使館前には、移住ビザを求める人たちが、早朝から行列を作っている。
キョロキョロしながら走っていたら、路上に野良犬のウンコとホームレスの足を発見。心肺機能だけでなく、反射神経とジャンプ力も試される。
滞在中2~3泊ずつ、マニラ市内のホテルや家具付アパートを泊まり歩いた。何かしら、必ず備品が壊れていた。
一番困ったのが、セーフティボックスのトラブル。街はスリやひったくりが多く、金目のものを持ち歩けない。セーフティボックスが使えないと、一歩も部屋から出られないことになる。
フロントに電話すると、愛想よく「すぐ係の者を行かせます」と言うのだが、一度で来た試しがない。再度催促して、やっと清掃係が来て、古い乾電池を取り出して行ったまま、戻ってこない。
さては電池を買いに走ったか?
再再度電話して、やっと新しい電池に交換するも、やはり作動せず。今度はメカニックを呼んで、重いセーフティボックスを取り外し、丸ごと交換した。
キッチン付アパートに宿を取り、コーヒーを沸かそうとしたら、電熱式コンロが熱くならない。フロントに何度も電話して、やっとスタッフが来た。シンクの下の配線を、何やらゴソゴソいじっている。
別のアパートでは冷蔵庫が冷えない。フロントに何度も電話して、やっとスタッフが来たと思ったら、したり顔で「ブレーカーが入ってないからだよ」。
ブレーカーぐらい最初から入れといてよ!
WiFiのパスワードを尋ねた時は、「すぐ紙に書いてお持ちします」と言ったきり、音沙汰なし。フロントに降りていくと、同じスタッフが真顔で言った。
「何かご用ですか?」
先週のホテルは、エアコンの室外機が、あり得ないほどの爆音を立てた。とても眠れたもんじゃない。フロントに電話すると、「ご不便をお詫びします。すぐ別の部屋をご用意します」と言ったきり、音沙汰なし。
再度電話すると「直ちに伺います」
荷造りをして待っていたら、部屋の電話が鳴った。
「こちらフロントです。で、お客様の問題は何でしたっけ?」
…ダメだこりゃ。
いつも返事はすばらしいんですけどね。
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