自宅からクルマで30分、湖に面して小さなゲストハウスが佇んでいる。
コロナ禍前は毎年夏、ここで働いていた。
久しぶりに訪ねて、管理人と話していると、ひとりの女性がふらりと入ってきた。
妙に身軽で、ほとんど荷物を持っていない。
管理人の友人が小声で教えてくれたところによると、この女性、すぐ近くに住んでいる。2泊していったん家に帰り、また2泊しては帰宅、を延々と繰り返しているという。
怪しい。この人はいったい何者?
ここで、ヒントその①
しばらく前から始まった、県民限定の宿泊割引。
うまく使えば、ホテル代が食事付きで半額ほどになる上に、周囲の店で使えるクーポンまでついてくる。
さらに今月から、このゲストハウスのある町も、宿泊施設に割引で泊まれるキャンペーンを始めた。
県と市の割引制度をダブルで使えば、タダ同然でホテルに泊まれて食事も出て、もらったクーポンで買い物までできてしまうのだ。
ただし割引が効くのは、連続2泊まで。
この辺りに、謎の女性の思惑が隠されている…?
ゲストハウスにこの夏、ひとり旅のロン毛青年がひょっこり現れ、泊まっていった。
そのうち、友人の元で、住み込みで働き始めた。
その時の所持金、わずか9000円。
年齢を聞くと、まだ19歳だという。
家族といろいろあって、東北地方の実家から10代前半で上京した。中学や高校には行かず、簿記やプログラミング、証券アナリスト業務を自学自習している。元カノはドイツ人で、今の彼女は現在イギリスに留学中。
話を聞けば聞くほど、規格外の19歳。
そして、自立心の塊みたいな人だった。
2段ベッドの相部屋と、広い共同キッチンがあるこのゲストハウスは、ファミリーやバイクの若者に人気がある。コロナ禍前は外国人旅行者も混じって、連日賑わっていた。
割引料金で2泊3日、ここでのんびりマンウォッチングも楽しそう。
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