4泊5日の旅から戻った夜。
歯磨きの最中に、妙なものを見つけた。
洗面所の片隅に、銀紙に包まれたチョコがふたつ。ちょこんと置いてある。
出発前に、輸入食品店でハーシーズの大袋を買った。確か、涼しい廊下に置いて出たはず…
いったい誰が、何の目的で、私のハーシーズを、こんな所に?
恐る恐る拾い上げると、銀紙の角が破れて、チョコっとかじられていた。
犯人は、人間ではなさそう。
では、わざわざチョコを廊下から洗面所まで運んで食べるイキモノって…いったいナニモノ?
翌朝、バスルームに別のハーシーズを1個発見。
玄関先にも1個。
押し入れの洗濯カゴの中に、1個。
そして下駄箱の、愛用の青いシューズの中にまで…
みんな、少しかじっただけの食べかけだ。行儀が悪いというか、茶目っ気があるというか。犯人は、空腹でどうしようもない、というわけではなさそう。
近くに、黒米そっくりの糞が残されていた。同じく田舎暮らしをしている友だちに聞くと、「それはネズミ!」と断定した。
ネズミか~
友だちも困っているらしく、ネズミ駆除には「ネズレス」より「デスモア」が効く、と力説する。
デスモア。
確かに効きそうだが、それにしても情け容赦ないネーミングだ。
ほかに「チューコロ」という商品もあるらしい。
わが家は八ヶ岳中腹の標高1600メートル、ミズナラやカラマツの木が密生する森にある。動物たちの世界に、私の方が間借りしているようなものだ。
この前の晩も、何者かが屋根裏で、ガサゴソ動き回っていた。なにやら羽の生えた生きものの気配は、コウモリだろうか。
今回チョコを盗んだ犯人は、糞のサイズからいって、ごく小さなネズミ。できれば仲良く共存を図りたい。
家じゅうの菓子類を集めてかごに入れ、S字フックで天井からぶら下げた。「デスモア」の前に、まずは守りを固めて様子を見よう。
友だちからは、できた人だね~と感心された。
でもこれ以上、とっておきの輸入チョコを横取りされたら、その時は…
デスモア発射用意!
0 件のコメント:
コメントを投稿