蓼科は、朝の気温0度。
連休の森には、「親子キャンプ」というプログラムに参加する家族連れが来ている。冷たい雨のぱらつく中でテント張りを手伝い、夜はタープの下でバーベキューの準備をした。
雷鳴がとどろく。
「テントに泊まるの、初めてなんです」と、不安そうなお母さん。子どもたちは、雨と冷たい風、雷という悪条件にテンション上がりまくり。
歓声を上げて駆け回っている。
一緒に働く上司のまりさんは、「火起こしに着火剤は使わない主義」。新聞紙や小枝を巧みに使って、湿った薪に火をつけていく。
コロナ前のサマーキャンプでは、私の火おこしが未熟なばかりに、子どもたちにひもじい思いをさせた。他の班から肉の焼ける香ばしい匂いが漂って来るなか、皿を抱えてじっと私の手元を見つめる目、目、目…
まりさんの魔法を見ていたら、あの時の悪夢がよみがえった。
コロナ明けの夏こそ、子どもたちから尊敬のまなざしを浴びるぞ!
ポケットに着火剤を忍ばせて…
夜は氷点下。寝袋に加えて、ひとり2枚ずつ毛布を配る。
翌日。さらに寒い。
タープが風に飛ばされて、めちゃくちゃに壊れているのを発見する。
そして夕方、まさかの吹雪。
この日も親子キャンプの参加者がいたが、子どもはテントに入ったきり、バーベキューになっても出て来ない。
暗くなり、懐中電灯で野生動物を探す「ナイトウォーク」に出た。森の中は、一面の銀世界。遠くでシカの目が光る。
8時まで残業してから、凍った山道を恐る恐る運転して帰る。よりにもよって、夏タイヤに交換したばかり…
まりさんいわく、「この森はゴールデンウィークが明けるまでは冬」。
早く言って欲しかった…
週明け、冬季通行止めが解除されたビーナスラインで松本に下りた。道中、北アルプスの連山が、新雪で真っ白になっている。
松本市内は夏日。サクラ並木の若葉がまぶしい。
駅前のスタバで外を眺めていたら、女の子が半袖、へそ出しで歩いていた。
クルマで1時間半、標高差1200メートル走ったら、まるで別世界。
ニッポンは、ヨコには狭いが、タテに広かった。
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