2021年5月28日

モーツァルトより、レッド・ツェッペリン

 

 長引くコロナ禍で、自律神経を乱す人が増えている。

 そして自律神経を整えるには、「モーツァルトよりレッド・ツェッペリン」なのだそうだ。

(以下は自律神経研究の第一人者、小林弘幸・順天堂大学医学部教授のインタビューより。日経ビジネス電子版)

・ストレス=自律神経の乱れ。会社に行きたくない、この人には会いたくないという負のストレスが自律神経を乱す

・受験勉強も、合格のためにイヤイヤやらされ、「落ちることはできない」というプレッシャーがあり、周囲は敵ばかりの孤独な戦い。強い負のストレスになる

・「怒る」という行為も自律神経を乱し、コンディションを大きく崩す。怒ると脳に十分な酸素と栄養素が行き渡らなくなり、さらに感情の制御を失う。乱れた自律神経は3~4時間回復せず、しばらく悪いコンディションが続く

・怒りそうだと感じたら、とりあえず黙り、深呼吸

・親しい人が亡くなった時のダメージは、回復が早い。死や悲しみは必ず訪れることだから、受け入れるかどうかの問題。本当に悲しい時は、悲しむことが大事

・自律神経の働きは、加齢とともに落ちる。高齢者になればなるほど、感情のバランスが乱れやすくなる

・加齢によって怒りっぽくなる人と、逆に感情のガソリンが切れて次第に無反応になり、穏やかになる人がいる

・自律神経は、何もしなければ機能が下がってしまう。食事や運動で上げる努力をすることが大切

・腸内環境と自律神経は密接に関係している。ヨーグルトを食べ、食事は「腹六分目」に

・机の上が乱雑だったり、家の中がちょっと汚かったりするのを見ただけでも自律神経は乱れる

・一定のリズムを刻むハードロックは自律神経にいい。KISSやレッドツェッペリン。モーツァルトは、自律神経を乱す

・去年はリモートワークで人と直接会話ができなくなり、心療内科を訪れる人が増えた。今は逆に、コロナの収束でリモートワークが終わり、また会社に行かなければならない、というストレスで病む人が多い

・コロナ禍の今は、みんなが長い夏休みをもらったようなもの。また日常が戻ってくることを恐れている。本音を言えば、みんな会社に行きたくない

・まずは体調を万全にすること。体の状態が整えば、心の状態も整ってくる



2021年5月22日

新聞社は、発達障害の集まり

 

「大人の発達障害」に関する記事を読んでいて、思わず笑ってしまった。 

その記事によると、発達障害の人は不得意なことがある一方で、「人より得意なこと」「優れた能力」が突出するのだそうだ。そしてその一例として、

Aさんは会社のデスク周りの片づけはまったくできず荒れ放題だが、文章の構成力、執筆の表現力においては大変優れている」と。

そのまんま、新聞社文化部の奥のほうや、編集委員室の風景じゃないか!

 あの人たち発達障害だったのか。

 特派員電を書きまくる敏腕記者が、実は経費精算が苦手で、海外出張の旅費を1年もため込んでブラックリストに載っていた。

 もしかして、あの人も発達障害…?

 記事(日経ビジネス電子版)に登場する精神科医・五十嵐良雄氏によると、

・発達障害は病気ではなく、生まれながらの脳機能の障害。遺伝や体質など、いろいろな要因が重なりあって起きる。人口の1割が発達障害

・その人の人格的な問題としてとらえられがちだが、全くそうではない。発達障害的な要素は程度の差があるだけで、誰もが多かれ少なかれ持っている

・うつ症状で休職を繰り返す会社員の、本当の原因は発達障害だったケースも

・自分の得意な分野で、ひとりコツコツ仕事をして成果を上げてきた発達障害の社員が、歳を重ねてチームのリーダーなどになった場合、苦手な「周囲とのコミュニケーション」の場面に直面し、ストレスでうつになる

 

 ずっと新聞社の報道カメラマンをやってきて、40代でデスクになったとたんに抗不安剤が手放せなくなった私も、もしかしたら発達障害…

 新聞社は、「大人の発達障害」の巣窟かもしれない。

 

 記事によれば、

・発達障害やその傾向を持つ人は、医師や弁護士に多い。著名人では、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズなどグローバル企業の創業者。歴史上の人物では、アインシュタインやモーツァルトなど

 

 発達障害にはネガティブなイメージもあるが、こうした人たちと並び称されるのは、ちょっとうれしいかも。



2021年5月15日

恋愛小説、イッキ読み

 

 冬から春にかけて、わりと最近の、女性作家の本ばかり読んでいた。

 好みで大ざっぱに分けると、

 山本文緒、唯川恵、吉本ばなな、島本理生…好き

 小川糸、町田そのこ…大好き!

 林真理子、村山由佳…個人的にいまいち

 恋愛をテーマにした作品が多かったが、ある作家の本には、幼少時に受けた性暴力のために、大人になってから異性関係に苦しむ主人公がよく出てきた。

 小説を書く人の創造力、想像力は本当にすごいものがあるが、ここまでリアルな心理描写は…きっと作家本人にそういう辛い体験があるのだろう。

 また複数の作家の作品で、やたら深夜のバーが出てきて、会って間もない男女が酒を飲み、すぐ一線を越えてしまう。

 下戸としてはうらやましい展開だが、いくら何でも安直すぎる。作家たちの怠慢では?と思って、酒が飲める知り合いに聞いてみた。

そうしたら、彼(彼女)にも、実際にそういう経験があったとのこと。

そして、酔った勢いで…の後は、とても後悔したそうだ。

 

経済メディアが「恋愛停止国家」という特集を組んだ。人と人との接触が制限されるコロナ禍の中、社会全体で恋愛活動が停滞しつつある、という(以下、日経ビジネス電子版より)。

・男女の「2大出会いの場」である職場と学校が、コロナ禍でオンライン化され、恋愛が生まれるチャンスが一気に減った。リモートワーク、飲み会の自粛、教室でのソーシャル・ディスタンスの徹底、部活のZoom

・感染のリスクを恐れて、マッチングアプリでも実際に会うところまで発展しない

・出会いの場がないだけでなく、コロナ禍の非接触で、それまでカップルだった人たちも続々と別れている

・恋愛すると消費マインドが高まる、おしゃれ着中心のアパレルなどは不振。理美容業の倒産件数は過去最多を記録

・「恋愛ソング市場」にも影響

1991年邦楽ヒット曲ランキングTOP10のほとんどは甘いラブソングだった…「ラブ・ストーリーは突然に」「はじまりはいつも雨」「SAY YES」など

2020年のTOP10のうち3曲は失恋の歌…「香水」「猫」「ドライフラワー」

 

 そして、もし「恋愛を始める人」が本当に減っているとしたら、関連産業の不振だけでは済まない「巨大な災い」が、日本経済に降りかかるという。

 それは、少子化の急加速。

 恋愛はとても私的な行為なのに、なんか話が大ごとになってきたなぁ。



2021年5月7日

5月の雪

 

 蓼科は、朝の気温0度。

連休の森には、「親子キャンプ」というプログラムに参加する家族連れが来ている。冷たい雨のぱらつく中でテント張りを手伝い、夜はタープの下でバーベキューの準備をした。

 雷鳴がとどろく。

「テントに泊まるの、初めてなんです」と、不安そうなお母さん。子どもたちは、雨と冷たい風、雷という悪条件にテンション上がりまくり。

歓声を上げて駆け回っている。

 一緒に働く上司のまりさんは、「火起こしに着火剤は使わない主義」。新聞紙や小枝を巧みに使って、湿った薪に火をつけていく。

コロナ前のサマーキャンプでは、私の火おこしが未熟なばかりに、子どもたちにひもじい思いをさせた。他の班から肉の焼ける香ばしい匂いが漂って来るなか、皿を抱えてじっと私の手元を見つめる目、目、目…

まりさんの魔法を見ていたら、あの時の悪夢がよみがえった。

コロナ明けの夏こそ、子どもたちから尊敬のまなざしを浴びるぞ!

ポケットに着火剤を忍ばせて…

 

夜は氷点下。寝袋に加えて、ひとり2枚ずつ毛布を配る。

 

翌日。さらに寒い。

タープが風に飛ばされて、めちゃくちゃに壊れているのを発見する。

そして夕方、まさかの吹雪。

この日も親子キャンプの参加者がいたが、子どもはテントに入ったきり、バーベキューになっても出て来ない。

暗くなり、懐中電灯で野生動物を探す「ナイトウォーク」に出た。森の中は、一面の銀世界。遠くでシカの目が光る。

8時まで残業してから、凍った山道を恐る恐る運転して帰る。よりにもよって、夏タイヤに交換したばかり…

まりさんいわく、「この森はゴールデンウィークが明けるまでは冬」。


 早く言って欲しかった…

 

週明け、冬季通行止めが解除されたビーナスラインで松本に下りた。道中、北アルプスの連山が、新雪で真っ白になっている。

松本市内は夏日。サクラ並木の若葉がまぶしい。

駅前のスタバで外を眺めていたら、女の子が半袖、へそ出しで歩いていた。

 

クルマで1時間半、標高差1200メートル走ったら、まるで別世界。

ニッポンは、ヨコには狭いが、タテに広かった。



自然学校で

  このところ、勤務先の自然学校に連日、首都圏の小中学校がやってくる。 先日、ある北関東の私立中の先生から「ウチの生徒、新 NISA の話になると目の色が変わります。実際に株式投資を始めた子もいますよ」という話を聞いた。 中学生から株式投資! 未成年でも証券口座を開けるん...