ミヤサカ・ファンドは試行錯誤の末に、「インデックスを使った国際分散投資」という王道にたどり着きました。
時あたかも、橋本内閣による「金融ビッグバン」の黎明期。個人にも海外投資への道が開かれ始めていました。でもまだ、外国のインデックスに投資することはできませんでした。
だから金融英語に苦労しながら、海外のネット証券に口座を開設しました。途中でにっちもさっちも行かなった時は、勇気を振り絞って国際電話です。
相手の英語がわからず聞き返すと、やる気のない声で同じフレーズを繰り返します。一瞬、機械音声かと思いました。外国の金融機関は給料が安いせいか、社員のモラルは総じて低めでした。
そして苦労の末に手に入れたのが、VT(Vanguard Total World Stock)というニューヨーク上場のETF。一株50ドルで世界47か国8000社の株をいっぺんに買えて、しかも手数料は年0.1%。夢のような経験でした。
あの日から、かれこれ10数年。ネット証券が国内でもサービス競争を始め、VTも日本で簡単に買えるようになりました。
さらに、政府主導の「貯蓄から投資へ」という掛け声のもとで、NISAやiDeCoといった非課税制度も整いました。
一部の金持ちが、プライベートバンクとタックスヘイブンを経由して行っていた「税金がいらない国際分散投資」。それがいまや、誰にでも可能になったのです。すごい世の中です。
さて、資本主義と市場経済の総本山といえばアメリカ。当然、投資教育も盛んなはずです。そのアメリカで、投資のターボエンジンである「複利効果」を、逆噴射させる人々がいます。
自分の収入以上にお金を使い、すぐクレジットカードで借金する。カードローン金利を18%とすると、その借金は4年で2倍になります。8年で4倍。
毎年、大学卒業者より多くの自己破産者が生まれています。
支出を収入内に収めるのは、日本では常識です。「長期・積立・分散」の株式投資を教科書通り実行できるのも、規律と忍耐に長けた日本人でしょう。
最近、ボランティア先で知り合ったヒカリさんが、株式投資を始めました。自ら勉強してNISA口座を作り、VTを毎月2万+ボーナス月5万円で積み立て開始。自動操縦の仕組みを整えてから、
「では、ほったらかします」。
高らかに宣言していました。
ヒカリさんは、この春に結婚を控えた20代。時間を最大限に使えます。世界経済の成長×複利効果で、ふたを開ける頃にはすごいことになっていそう。
自分ももっと早く、この賢明さを備えていれば・・・
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