東京から引っ越して、こちらでファミリーサポート支援会員になった。
毎週、3歳と6歳と小1と小2と小4の子どもを、習い事に送ったり、一緒に遊んだりしている。
親たちは、子どもの将来をも考えなければならない。その点、私のような立場は気が楽だ。よその子を勝手にかわいがって、楽しんでいる。
先日、ファミリーサポート支援会員の小さな集まりがあった。
平日の午前中だから、完全アウェーを覚悟した。案の定、私のテーブルは全員女性。子育てを終えた年齢の人が多かった。
Aさんは、シングルマザーの子を夜遅くまで預かっている。夕食を食べさせて、風呂に入れる。ママが迎えに来る頃には寝入ってしまい、抱っこして手渡すのだそうだ。
毎日のように預かる時もあり、少し負担に感じているようだった。
この町には、午後7時以降の託児施設がない。隣の温泉町には、芸者の子を午前4時まで預かる保育園があるが、車で夜道を走らなければならない。
Aさんのような存在が、最後の砦だ。
Bさんは、やんちゃ盛りの男の子を預かる。「置いてあるミカンはバクバク食べるし、テレビのリモコンは壊すし、もう大変!」
Bさんによると、昔は内弁慶が多かったが、いまの子はママの前ではいい子、ママがいないところで大変、なのだそうだ。
「車道をあっちこっち走り回って、私は走れないから大声で注意して。ファミサポ、70歳過ぎたらできないかも」
Cさんは朝、子どもの家まで迎えに行き、玄関先で30分もママの愚痴に付き合うのだそうだ。「その分の料金も頂きたいぐらい・・・」
子どもだけでなく、大人の面倒まで見ている。
皆さん、言いたいことがたくさんあるようだった。
幸い5人の「我が子」は、手がかからない。小1と小4の男の子は、静かすぎるほど大人しい。小2男子は病気で気管を切開していて、会話には読唇術が必要だ。だから返事の必要もない他愛ないことを、私が勝手にしゃべっている。
6歳女子も障がいがあって会話は不得意だが、その代わりに表情や仕草がとても豊か。非言語コミュニケーションの達人で、会うのが楽しい。
3歳男子はおしゃべり。他の4人の分までしゃべる。動きも活発だ。でも小さいので、いざという時はひょいと抱き上げてしまえば、何も困らない。
今回会った支援会員のAさんBさんCさん、みな真面目で責任感が強い。都合の悪い日は断ってしまう私のような関わり方は、かなり身勝手かも知れない。
ファミサポ事務局の話では、依頼の数に比べて、支援会員が圧倒的に足りないそうだ。依頼する人も支援する人も余裕をもって、笑顔で子育てをシェアできれば、それが最高だ。
Tateshina Japan, Winter 2019 |