2017年10月21日

言ってはいけない


 雨の中を送迎ボランティア。今日のおばあちゃん(89)は、胃がんと直腸がんで人工肛門。この前補聴器を買い替えて、大枚36万円払った。

「トシ取ると色々お金がかかるねえ」

 ところが新しい補聴器でも、やっぱり会話は一方通行。大声を出しても通じないもどかしさは、以前と変わらない。

 でもそれは言えなかった。



「言ってはいけない~残酷すぎる真実」 橘玲著

 本当に人間は平等で、努力は報われて、見た目は大した問題ではないのか?最新の進化論、遺伝学、脳科学から明らかになったのは・・・



容姿による収入格差はある(経済学者ハマーメッシュの研究)

 美人は平凡な女性より8%収入が多く、不美人は4%少ない。大卒サラリーマンの生涯賃金3億円に当てはめると、「美醜格差」は3600万円。

 さらに、容姿の劣る男性は平均的な男性より13%も収入が少ない。女性より格差が大きいのは、雇用主が暴力的な外見の若者を警戒し排除するから。



写真から未来がわかる(心理学者ハーテンステインの研究)

 卒業写真であまり笑っていなかった男女の離婚率は、満面の笑みの卒業生の5倍。

いっぽう、写真で判別できないのは「誠実さ」「穏やかさ」「政治的見解」。爽やかな笑顔の学生が外向的なのは想像がつくが、その笑顔は必ずしも誠実さという内面をそのまま表しているわけではない。



子どもの人格や能力、才能の形成に、親はほとんど関係ない(心理学者ハリスの研究)

 親から子への遺伝率は、音楽的才能が92%、執筆83%、数学87%、スポーツ85%など。発達障害(自閉症、ADHD)も80~87%が遺伝。遺伝の影響がきわめて大きい。

 親が辛うじて教えることができるのは言語(親の母語)だけ。それ以外に親の影響が見られるのは、アルコール依存症と喫煙。

 そうかといって、親は無力だというのは間違い。親が与える環境(友だち関係)が、子どもの人生に決定的な影響を及ぼす。だから親の一番の役割は、子どもの持っている才能の芽を摘まないような環境を与えること。

 ちなみに女性の政治家、科学者に女子校出身が多いのは、共学と違って校内で「バカでかわいい女」を演じる必要がないから、だそうだ。


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