あなたはバークシャー・ハザウェイを知っていますか?
アメリカ中西部の会社だが、モノを作って売ったりはしていない。
その代わりコカコーラ、アメリカン・エキスプレスなどの株を大量に保有する「世界最大の持ち株会社」だ。
「オマハの賢人」ウォーレン・バフェットが会長を務める。副会長は弁護士出身のチャーリー・マンガー。2人は田舎の小さな繊維会社を時価総額3500億ドル、従業員30万人の企業に育て上げた。
いつもバフェットの陰に隠れがちなマンガーの本が邦訳された。投資に関する本だが、彼の人生論も随所で語られている。マンガーのような、並外れた胆力を持つ投資家になりたい。ページをめくってヒントを求めた。
「私の経験から言えることだが、いつも考え続け、本を読み続けていれば、働く必要はない」
これは投資家という彼の職業に限ったことか、普遍的な真理なのだろうか。マンガーは毎日、新聞3紙と600ページの読書をするという。
電子デバイスで「論語」や「ソクラテスの弁明」を読む人も、中にはいるだろう。でも日本の近郊電車で、人がスマホで見るのは、たいていゲームかSNSだ。
新聞や本は、値段がつく程度に情報が編集されている。玉石混交のネット情報より、よほど時間効率がいい。わかっていても、手の届くところに電子デバイスがあると、ついそちらを見てしまう。
継続的かつ熱心に読み、考える。この積み重ねが、投資における複利効果のように、知識を雪だるま式に増やしていく。卒寿を過ぎたマンガーの実感だろう。
バフェット87歳。マンガー94歳。2人とも超がつく大富豪だが、依然としてマクドナルドのハンバーガーやコーラを好む。
そして、3度のメシより企業の財務諸表を読むのが大好き。
脂肪の塊を食べ、黒い砂糖水を飲んでなお、頭脳明晰であり続けるふたりの後期高齢者。バークシャーの企業価値は、2000年以降だけでも3倍になった。「好きなことをする」のが健康長寿のカギであることは明らかだ。
日々栄養バランスや添加物を気にするのは、凡庸な投資家の証。少しでもマンガーに近づくために、まずは不摂生から始めよう。
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