火曜日 移送ボランティアで車いすのおじいさんを病院に送る
車載リフトで障がい者を車いすごと乗せる福祉車両、彼らにとっての乗り心地は最悪。振動が直接、車いす越しに伝わる。元気な人でも、長時間乗れば病気になりそう。
路面のいい幹線国道を選んで走り、マンホールを踏まないように蛇行し、目地段差では徐行する。
助手席に座る付き添いの娘さんと、後部座席の奥さんの会話。
「せっかく長生きしても、お父さんみたいになっちゃーねえ」
「ホント!」
バックミラー越しに、認知症だというおじいさんを窺う。うつらうつら、目を半分閉じて、口は半分開いている。
木曜夜 隣町の公民館で、生活保護の子どもたちの学習支援
この日担当した、小5のトウマくん(仮名)とは初対面。小学生は遊ぶべきと信じて、宿題に取り組む彼の邪魔ばかりしていた。
生活保護世帯は母子家庭が多い。我々ボランティアに、彼らの家庭環境は知らされない。でも「去年お父さんが死んだ」、トウマくんが唐突に話し始めた。
「おばあちゃんと一緒に寝てた」「サイレンの音で起きたら、お母さんがお父さんに心臓マッサージしてる所だった」「救急車と、消防車も来た」「そうそう、そのシンキンコーソクってやつ」
彼は10歳にして大変な経験をした。人に話せるということは、彼なりにその体験を消化しつつあるのだろう。
金曜夜 山岳部の後輩メイコさんと都内の中華料理屋へ
去年、まだ学生だった彼女とネパール・アンナプルナ山群を一緒に歩いた。ゆっくり会うのは久しぶりだ。卒業後は、サービス付き高齢者住宅スタッフ、小学校の発達障害児支援員として働きながら、養護学校教師を目指している。
「小学1年生ぐらいだと、ほとんどの子がある意味『おかしい』。普通の子と障がいがある子、と分ける必要はないと思います」
言われてみれば、自分にも自閉症の気がある。ADHDも病名ができる前は、多くの「活発で落ち着きのない子たち」だった。
世の中、白と黒ではくくれない。グラデーションだ。
メイコさんは、本人のいない所で「天使」と呼ばれている。介護・福祉分野で働く人特有の、柔らかい物腰。マスコミには、ときどき猛獣のような女性記者がいた(失礼!でもホントです)。業界によって雰囲気が全く違う。
天使でも猛獣でも、なりたい自分になれれば、それが一番・・・?!
0 件のコメント:
コメントを投稿