森閑とした初秋の山を下りて、夜の東京へ。
ギョーザが評判の店で待っていると、仕事を終えた友人が次々に到着する。
「さっきまで米海軍マラッカ海峡事故のフォローに追われてた」
「明日の朝便でモスクワへ」
「英字紙セクションから来週、異動するよ」
「10月にニューヨーク出張です」
「某国大統領と会見した」
都会の人波にさえ驚いているところに、この会話。クラクラきた。自分だけがボーっとして、場違いな空気を漂わせていたと思う。
その晩集まったのは、かつてアジアの現場で苦楽を共にしたシンガポール、マニラ、台北の元特派員たちと、海外有力紙記者のHさん、バレエジャーナリストのルイさん。みなさん現役バリバリ。
Hさんが働く新聞の東京支局はスタッフ4人だが、北京支局には100人もいるという。4対100。国際報道における日本と中国の注目度は、知らない間に大差がついていた。
ところで若いルイさんに「NISA口座を作ったけれど、どうしたらいいかわからない」と聞かれたのに、どうでもいい昔話をしてしまった。
(以下、取り急ぎ話の続きです)
・個人が資産運用する上での大きな障害は、税金と手数料です。NISA口座の他に「iDeCo」(個人型確定拠出年金)という非課税枠もあるので、最大限に活用してください。
・次に手数料ですが、銀行が勧める投資信託には年2%もの手数料を取るものがあり、これでは市場平均にさえ負けてしまいます。ローコストな投信を自分で探す方が賢明です。
・「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」の手数料は年0.25%。「eMAXIS 全世界株式インデックス」は同0.60%。どちらもこの1本で国内外2448社に分散投資できます。ご参考まで。
・時間分散も大切です。一度に全額を投資せず、5000円でも1万円でも、できる範囲で毎月積み立てたほうがより安全です。NISA、iDeCoいずれも、毎月定額を自動的に積み立てるシステムがあります。
・今後、世界株全体が急落する場面がありえます。慌てず騒がず、むしろ喜んでください。株価の低迷中は、値下がりした株をより多く買うことができます。そして株価が元に戻っただけで、積み立てた資産は大きく増えているはずです。
・仕事がうまくいかないとき、あるいは自分が属する組織が傾いた時も、出稼ぎに出たルイさんのお金はアップルやグーグル、あるいはインドや中国の企業で設備投資などに使われ、それなりの利益を背負って帰ってくると思います。
時として、投資は希望を生む。まずは一歩を踏み出してみて下さい。
2017年1月、中国正月のペナン島(写真と本文はほとんど関係ありません) |