2024年11月8日

大統領は自己愛性パーソナリティ

 

あっさりと…

本当にあっさりと、アメリカの大統領が「あの人」に決まってしまった。

 

「自己評価が過剰に高く、他者からの称賛を欲するが、異常なほど自信がなく、自己の失敗を認めない性格の持ち主」

元外務官僚の宮家邦彦氏によれば、「あの人」はアメリカ精神医学会の分類における「自己愛性パーソナリティ症」では?という説があるらしい。「真偽は不明だが、1期目のトランプ政権を見れば実に説得力がある」見方だという。

少なくとも日本と日本人にとって、「あの人」が大統領になることのメリットはひとつもない気がする。

でも宮家氏によれば、よいニュースもないことはない…らしい。

以下、日経ビジネス電子版に載った氏の分析記事を、一部紹介します。

 

・今回の選挙は、トランプ氏が勝利したというよりは、現職副大統領であるハリス氏が敗北したと見るべき。ハリス氏の敗因は、インフレや住宅不足などの経済問題

・中国との競争では、中国を抑止する力を日米が共同で強化していくことが大切。だがトランプ氏にそのような問題意識があるかどうかは疑問。氏は安全保障について、米国の国益よりも、同盟国の国益よりも、同盟メカニズムの利益よりも、トランプ氏個人の利害を優先する

・自国に世界最強の軍隊がありながら、その指導者が軍事力の使い方を知らず、軍事力行使の有無を個人の利害や好みに応じて決めること自体、驚くべきこと。そして中国は、そのことを熟知している

・トランプ氏は外交よりも内政、特に自己の名誉回復に最大の政治的精力を傾注する可能性が高い

・よいニュースが全くないわけでもない。トランプ氏は曲がりなりにも4年間、米国大統領職を経験している。生来の癖や性格は変わらないにしても、1期目ほど予測不能な統治は行わないのではないか、という淡い期待がある

・仮にトランプ氏が変わらないとしても、トランプ氏の側近やスタッフの多くはトランプ式意思決定に慣れているはず。彼らの多くはトランプ氏の性格を逆手に取りつつ、米国にとって望ましい政策を不完全ながら立案実行してきた

・日本政府の外交当局にも、第1期トランプ政権とやりとりした有能な人材が残っている。そしてトランプ政権側の関係者も、中国との競争を勝ち抜くためには日米関係が重要であると理解している

 

今回の選挙は「あの人」の圧勝だった。これはアメリカの有権者の意思であり、民主主義である以上、その意思は尊重されなければならない。

「あの人」が勝利宣言した朝、わが家は雪が舞った。



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