2023年12月8日

ナースはトイレを流さない

 

病院という非日常な場所で出くわした下ネタを、2つほど。

 

緩和ケア病棟に、まだ30代の女性Yさんが入院してきた。

こんなに若い患者さんを迎えるケースは、そうそうない。

ナース控室では、急いで「AYA世代のがん患者への対応方法」などの冊子が回覧された。

そして病棟主任が、

Yさんの部屋は男子禁制!あなたは入っちゃダメよ」という。

あーそうですかと、Yさんの部屋の掃除や配茶・配膳を公然とサボっていたら、担当ナースが恨めしそうに、「本人はそんなこと言ってないよ」という。

それでは、とYさんの部屋を訪ねた。

いきなり、干したパンツが目に飛び込んできた。

うう、やっぱり入るんじゃなかった。

件のYさんは、髪の毛を派手に染めた、明るくて開けっ広げな人。

「これでCT検査に行っても大丈夫かな」

言うなり、やおらシャツをめくって「肛門」を見せた。

脇腹に、かわいいパウチがついたストーマ(人工肛門)が留置されていた。

 

病棟の一角に、その名も「汚物室」という、直截的すぎるネーミングの部屋がある。

ここが、看護助手を務める私の主戦場だ。

畳2畳ほどの空間で、「陰洗(陰部洗浄)」用のボトルを用意したり、排せつ物で汚れた寝間着やシーツを洗ったりする。

一角には大きなゴミ箱があって、朝夕のおむつ交換時には、中身入りの紙おむつがポンポン捨てられる。

蓋はあっても、かなり匂う。

そしていちばん奥にあるのが、「座面のない洋式トイレ」。

ポータブルトイレや男性用尿器の内容物を、ここに空けるようになっている。

問題は、ナースたちが、使用後に水を流さないことだ。

お茶くみを済ませて汚物室に戻ると、トイレの水たまりが黄褐色に泡立っていたり、茶色い固形物が浮かんでいたりする。

そんなことが、本当に、本当にしょっちゅうある。

「ワレ、トイレぐらいちゃんと流せや!!」

(と言いたいけど、気が小さいから言えない)

忙しいのはわかるけど…

まだヨメ入り前のお嬢様ナースもいるのに、信じられない。

そのうち、よそ様でもトイレを流さない癖がついちゃうぞ。

Kathmandu Nepal, 2023



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