2018年5月12日

レンタカーと泥付きダイコン


 クルマが売れている。

トヨタが過去最高益を更新した。

でもクルマは、買うより借りるものだと思う。



 去年1年で、レンタカーを102日借りた。夏は2か月借りっぱなし。

いっそ買ったほうがトクかも。

 この辺りの駐車場は月5千円だ。

でもやっぱり、モノを所有するのは怖い。



今とても懇意にしているNレンタカーは、ト〇タレンタカーの半額で借りられる格安レンタカーだ。

この料金だと、ふつうは10年&10万キロ経過した古いクルマを想像する。実際、別の町で借りた同じチェーンのクルマは、ダンパーが抜けて高速道をまっすぐ走れなかった。安さは恐怖の代償だった。

でも近所のNレンタカーは、程度のいいクルマが多い。先日は90キロしか走っていない卸したてを、「最初に使ってください」と貸してくれた。久しく嗅いでいない新車の香りがした。

いったい、これで商売成り立つのか。「残価設定型リースだから・・・云々」と説明してくれたが、何度聞いても仕組みがわからない。

中古を買って廃車になるまで使っても、新車を買って数年使い、残価があるうちに売却しても経費的に差はないという話?

海外旅行でよく使うLCC(格安航空会社)も、ピカピカの新鋭機を揃えていたりする。同じようなビジネスモデルだろうか。

格安レンタカーはガソリンスタンド併設店が多い。近所のNレンタカーも、本業は自動車修理工場。プレハブ小屋を事務所にして、初老の夫婦と娘さんの3人で両方を切り盛りしている。たしかに、副業にすれば合理的だ。

でも365日、朝8時から夜9時までほぼ無休。本当に大変だと思う。

ただでさえ安い料金をさらに値引きし、帰り際には泥付きダイコンやミカンを持たせてくれる。いくら私が、均せば3日に1度は利用するヘビーユーザーとはいえ・・・有難すぎる。

恩に報いるため、利用するごとに最高の評価をアンケートに書き、本部に送っている。「おかげさまで、2年連続優良店として本部から表彰されました」と、娘さんが言っていた。

町から町へ、身軽に引っ越すための借りもの生活。

新車と泥付きダイコンのNレンタカーに魅せられて、引っ越せないまま3年がすぎた。

 この前こんなに長く暮らしたのはどの町だったか。

 レンタカーのために定住しそう。
 



Saigon, January 2018

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